Ubuntu・フレーバーの日本語化



インプットメソッド・日本語入力システムの種類

従来 Ubuntu・フレーバー ではインプッドメソッドとして IBus が採用されていましたが、
13.10 から IBus のパッケージが 1.5 となり、操作が変わってしまいました。
その対策として、Fcitx が日本語環境で整えられ、採用されるようになってきています。

15.10 から Fcitx が全フレーバーで標準採用となりました。

(Ubuntu GNOME は統合されているために 16.04 LTS で IBus 標準に戻されました)

Ubuntu パッケージとしては他に uim も使えますが、

デスクトップ環境によって正常に動作しないため、ここでは紹介しません。
uim は Ubuntu の派生元である Debian GNU/Linux が標準採用しています。

 

一方、日本語入力システムは主要なところで Anthy と Mozc があります。

Anthy は Ubuntu Desktop Image・フレーバー や Debian GNU/Linux など、多くの環境で標準採用されています。

Mozc は Google 日本語入力 のフリーウェア版です。セキュリティ対策の仕様上 root 権限では使用できません。

14.10 からは更に iBus のパッケージとして かな漢字(kkc) も追加されています。

かな漢字 は最近 Fedora や CentOS などの Red Hat 系が標準採用しています。 

 

インプットメソッドと日本語入力システムをつなげて

fcitx-mozc、fcitx-anthy、ibus-mozc、ibus-anthy、ibus-kkc と表記する事が多いです。

パッケージ名でこれらが存在しているからです。


Ubuntu・フレーバー最新版の日本語状況

Ubuntu・フレーバーではオリジナルで日本語が使える状況に対応しはじめているのが現状です。

ただしフレーバーによっては日本語入力を採用していないため、その対応が必要な場合があります。

また操作の使い勝手が悪い場合、その改善手段があります。

 

最新版での日本語状況

15.10 より ibus-anthy に代わって fcitx-mozc が採用されました。

しかし、Ubuntu GNOME だけは GNOME に IBus が統合されている影響で、
16.04 LTS より IBus を標準採用するようになっています。

budgie-remix と Ubuntu Kylin は日本語でインストールした場合、入力メソッドは無効になっています。

  • fcitx-mozc = Ubuntu Desktop Image・Kubuntu・Xubuntu・Lubuntu・Ubuntu MATE・Ubuntu Studio 16.04 LTS 以降
  • ibus-mozc = Ubuntu GNOME 16.04 以降(Fcitx もインストールされているので切り替え可能)
  • なし = budgie-remix・Ubuntu Kylin

もし Fcitx が入ってなかったり、Fcitx アイコンがあっても、英語表示で Mozc も入っていない場合は

インストール時に 日本語 などの言語選択を行った次の画面で

「インストール時にアップグレードをダウンロードする」でチェックを入れずに
インストールを進めてしまっています。(初期状態でなぜか外れています)

インストールしたてであれば、再度インストールしなおしてみて下さい。

ネットに接続しないといけないため、ネットに接続せずに進めた場合は

下の情報を参考に apt でパッケージをインストールし、日本語化可能です。

 

14.04 LTS から 16.04 LTS へアップグレードした場合

IBus を使用していたまま 16.04 LTS へアップグレードした場合、

Fcitx がインストールされて動作するようになりますが、

Mozc がインストールされずに日本語入力できない場合があります。

この場合は fcitx-mozc メタパッケージをインストールし、ログインしなおして下さい。

 

$ sudo apt update

$ sudo apt install fcitx-mozc

 

この後ログアウト→ログインするか、Ubuntu・フレーバーを再起動して下さい。


Fcitx

最近 Linux で採用されてきています。読みは「ファイティクス」と読むようです。Fcitx 正しい読み [ˈfaɪtɪks] ってなに? | ふうせん Fu-sen.
全角/半角キーは Mozc 動作のオン・オフとなり、従来の iBus に近い動きで、むしろ安心できるかもしれません。
変換候補は黒背景へ変更でき、デザインにあわせて変更できます。更にスキン対応で、他の色にする事もできます。

 

UbuntuKylin(中国向け)が Fcitx を採用し、
それを継承するように Ubuntu 全てのフレーバーが 15.10 までに Fcitx 移行を完了させました。

(IBus が一部言語で入力に問題を発生させていた影響もあるようです)

 

fcitx-mozc

Fcitx の日本語環境は対応状況から
Mozc の使用が推奨されています。

入力中から候補表示が行われます。

 

fcitx-anthy

Fcitx で Anthy も使用可能になっています。

入力候補は Fcitx で共通のスキンとなり、Mozc と同等です。

 

fcitx-kkc

かな漢字(libkkc) は 16.10 より使用可能になりました。


端末から直接インストールする

端末を起動し、(Ubuntu では Dash から terminal)下記を実行します。(行頭 $ は不要です)

長いので Firefox 等でこのページを表示させて、コピー・貼り付けを行うのがおすすめです。
 

$ sudo apt update

$ sudo apt install fcitx-mozc

$ im-config -n fcitx

 

行ったらログアウト→ログイン、または Ubuntu・フレーバーの再起動を行って下さい。

 

Fcitx と IBus 両方のアイコンが表示されている場合

Ubuntu や Ubuntu GNOME で IBus を入れていた場合は
Fcitx に切り替わっても IBus のアイコンが表示されてしまいます。

設定  - テキスト入力 より「メニューバーの現在の入力ソースを表示」のチェックを外して下さい。

 

Ubuntu GNOME

16.04 LTS では IBus が標準に変わりましたが、Fcitx もインストールされています。

メニュー一覧より 入力メソッド で Fcitx に切り替える事が可能です。

切り替えた後はログアウト→ログインしなおすか、Ubuntu GNOME を再起動して下さい。

 

Fcitx は初期状態で左下に表示されてしまいます。

この改善にエクステンション(拡張機能)を使用する事が可能です。

GNOME Shell のエクステンションにある kimpanel を使用するのがおすすめです。

Fcitx の変換候補やメニューが他のメニューと同じ吹き出し表示になります。

 

Input Method Panel | GNOME Shell Extensions

 

または旧形式のトレイアイコンを上部へ表示するエクステンション TopIcons も有効です。

これは Fcitx 以外のアイコンも改善します。

 

TopIcons | GNOME Shell Extensions

 

統合されている IBus の状態も右上に表示されている場合は、

設定 を起動し、地域と言語 から 入力ソース 部分に Anthy・Mozc・かな漢字 があれば、
その項目をなくし、日本語 のみにします。

 

旧バージョンではこれでも消えない場合があります。ターミナル を起動し、次を実行して下さい。

 

$ gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.keyboard active false

 

これで右上から消えるでしょう。

 

Ubuntu Budgie

budgie-remix ではデフォルトが IBus になっています。(Ubuntu GNOME の設定が反映されています)

Fcitx へ変更する場合は 端末 を起動し、次のコマンドを実行します。

 

$ im-config -n fcitx

 

Fcitx がシステムトレイに表示されません。Fcitx 以外でも発生します。

そのため 2016年11月 より Ubuntu Budgie 独自のシステムトレイが追加されています。

トレイに「AppIncicator Applet」を追加する事で表示できるようになります。

手順は次のページで記載してあります。

 

Ubuntu Budgie - フレーバー別

 

17.04 からはシステムトレイ部は改善される可能性があります。

公式フレーバー化された事で Ubuntu パッケージへの反映が可能となったため

Fcitx をデフォルトにできる可能性もあります。

 

Ubuntu Kylin

パッケージインストール後、Fcitx の設定(入力メソッドの設定)の 入力メソッド タブで次の状態にして下さい。

  • キーボード - 日本語 (英語キーボードを使用している場合は キーボード - 英語(US)。必ず上に)
  • Mozc Anthy かな漢字

IBus

従来アプリ名は「iBus」と表記されていましたが、
公式にソースを公開している GitHub などが「IBus」と表記を変更されつつあるため、表記を合わせています。

 

Ubuntu・フレーバーの多くで 14.04〜15.04 は標準採用しています。

Ubuntu GNOME では 16.04 LTS から IBus 標準採用が復活しています。

しかし、13.10 から IBus 1.5 となり、日本語切替の操作が変化した影響で、
Windows からの切り替え、従来の IBus を使っていた人は慣れるまで大変かもしれません。

14.04 からは切り替え時カーソル下にモードが表示されるようになりましたが、14.10 では非表示になったようです。

これはプロパティパネルで、常時表示させるようにもできます。

Ubuntu GNOME(GNOME Shell)だけは右上でモード表示され、設定も若干異なります。

 

ibus-mozc

iBus の場合、Mozc だけは他とは入力候補が
他とは異なる表示になっています。

後のバージョンで提供されなくなる可能性があります。

ibus-anthy

Ubuntu Desktop Image やフレーバーでは

初期状態でこの状態になります。

 

ibus-kkc (かな漢字)

14.10 よりパッケージに新登場の日本語入力。

Fedora や CentOS で標準採用されています。



えっ!? 日本語化不要!!? でも 全角/半角 キーが反応しないんですけど?

はい、これが IBus 1.5 の問題点 なんです。操作が変化しています。

 

IBus 1.5 では、まず右上・右下の JP をクリック、または Super + Space で(Super=Windows・command など)

Anthy・Mozc・かな漢字 に切り替えてしまいます。

この状態にする事で 全角/半角キー での切り替えが使えるようになります。

 

つまり、IBus 1.5 では Anthy・Mozc・かな漢字 が

常時起動・選択されている状態で操作する前提になっています。

Super + Space にキーが変わったわけではありません。
Super + Space は入力システムの変更であり、通常は 全角/半角キー で操作可能です。

多国語の入力を必要とする人には、むしろこの iBus の操作は理想的かもしれません。

 

しかし、この操作が嬉しくない場合もあるでしょう。

その場合は Fcitx への切り替えがおすすめです。

Fcitx のインストール方法は下記に記載しています。

 

または日本語キーボードをなくし、Anthy または Mozc のみにする事で 全角/半角キー 動作を有効にします。

ただし Ubuntu GNOME では1種類にすると右上の表示が非表示になってしまうため、

例えば「日本語」と「日本語 (Anthy)」と2種類以上にしておく必要があります。

 

IBus のインストール

IBus が含まれていないフレーバーで端末より次のコメントを実行して下さい。($ は省略)
すでに IBus-Anthy が入っている場合でも、下記の実行で Mozc・かな漢字(14.10〜) がインストールでき、

変換候補がカーソルの下に表示されるようになります。

 

$ sudo apt update

$ sudo apt install ibus-mozc ibus-anthy ibus-kkc (14.10〜)

$ sudo apt install ibus-mozc ibus-anthy (14.04 LTS)

$ im-config -n ibus
 

実行後、一度ログアウトしてログインしなおすか、デスクトップ環境を再起動して下さい。

 

14.04 LTS で ibus-kkc をインストール

公式パッケージでは提供されていませんが、ppa で提供されています。

 

$ sudo add-apt-repository ppa:cosmos-door/marisa

$ sudo apt-get update

$ sudo apt-get ibus-kkc

 

MARISA : Mitsuya Shibata | Launchpad

 

Ubuntu GNOME 16.04 LTS

Ubuntu GNOME 16.04 LTS で IBus のまま使用したい場合、
設定(右上メニューにアイコンが存在します)から 地域と言語 を選び、
入力ソースに 日本語 (Mozc) を追加して下さい。英語 は削除しても構いません。

Anthy や かな漢字 を追加した時も同様に 日本語 (Anthy)、日本語 (かな漢字) を追加します。

 

Ubuntu Budgie

2016年10月、Budgie で IBus の対応が行われ、

Ubuntu Budgie(budgie-remix)で IBus の切り替えが可能になりました。

パネルに キーボードレイアウトインジケーター(Keyboard Layout Indicator) を追加する事で可能です。

 

手順は次のページで記載してあります。

 

Ubuntu Budgie - フレーバー別

 

なお、日本語入力システム(Mozc・Anthy・かな漢字)の設定は

設定 - 地域と言語 の入力ソースにある 歯車アイコン (設定) で行えます。

 

iBus でウインドウ左下に候補が表示される

最初から IBus がインストールされる環境で IBus を使用して変換を行った際、
一部のアプリでウインドウの左下に候補が表示されている場合は、
端末より次のコマンドを実行して下さい。($ は省略)

 

$ sudo apt update

$ sudo apt install ibus-gtk ibus-gtk3 ibus-qt4 libqt5gui5


実行後、一度ログアウトしてログインしなおすか、Ubuntu・フレーバーを再起動して下さい。

 

モードの表示位置を変えたい

設定 - キーボード・インプッドメソッド から 全般 タブにある

「プロパティパネルを表示する」を変更する事で状態が変化します。

  • 表示しない - 全角/半角キーなどを押しても変化が表示されません
  • 自動的に隠す - 全角/ 半角キーを押した時、カーソルの下に表示します
  • 常に表示する - 常時表示させておきます。

バージョンによって「自動的に隠す」または「表示しない」になっているようです。


「自動的に隠す」の場合はカーソルの下に表示

「常に表示する」で右上・右下に表示